うなぎとり
タカは二十歳のとき、夫に戦死された未亡人である。太郎をつれて、峠を越え、村へ出稼ぎにきた。そこでは、こどもたちが、竹で編んだ細長い筒にみみずをいれ、はいったら出られないような仕掛けにして、うなぎをとる。 太郎も仲間にはいりたいが、タカに「わしらはここに働きにきたのだから、みんなと同じにできやせん」とさとされる。ところが或る夜、はげしい雨に川の水が増して、うなぎとりの筒が流されはしないかと心配したタカと太郎は、びしょぬれになって筒をあげてやった。そのおかげで、太郎も仲間にいれてもらえるようになった。