エンジェル(2007)

1900年代初頭のイギリス。16歳のエンジェル･デヴェレルは、自分は由緒正しい貴族の娘として生まれているはずだったと強く信じている。だが、現実は下町で亡き父が遺した食品店を経営する母と共に、細々と暮らしている下層中流階級の少女なのだ。文才に恵まれていたエンジェルは、上流階級を夢見て、夢中で物語を書き綴った。ある日、原稿を送った出版社から、採用の手紙が来た。自分の作品に絶対的な自信を持つエンジェルは、何ひとつ手を加えず出版することを条件として出版するのだった。出版された「レディ･イレニア」は舞台劇化されるほどのベストセラーになり、エンジェルは文学賞を受賞。彼女は次々と新作を発表し、たちまち人気作家の仲間入りを果たした。豪邸を購入し、骨董品の高価な家具で埋め尽くすのだった。そんなある日、ノーリー卿の姪のノラが個人秘書として仕えたいという。彼女は、ノラの弟で画家のエスメに興味があったのでノラを雇う。エスメのアトリエを訪ねたエンジェルは、しだいに惹かれていく。しばらくして、エンジェルは自分からエスメに結婚を申し込み結婚する。だが、幸せな日々は続かなかった。彼女の反対を押しきり、エスメが志願して軍隊に入隊したのだ。エスメの出征後に流産し、一人で悲しみに暮れるエンジェル。やがて彼女のもとに、戦場で負傷して脚を失ったエスメが戻って来た。再出発を誓うエンジェルだったが、さらに皮肉な運命が待ち受けていた。