サルバドールの朝

1970年初頭。政情が不安定なフランコ政権末期のスペイン。「世界を変えよう」と闘志に燃えた若者たちのグループがいた。彼らは労働者闘争活動に資金を提供するため、強盗をくり返す。良い社会を作るためと心から信じていた。サルバトールは、恋人のクカと別れ、家を出て地下生活へと入っていった。ある時、警察の監視下にある銀行を襲ってしまい、身元を知られてしまう。隠れ家を突き止められ逃走、他の男と結婚を控えるクカまで厳しい取り調べを受けてしまうのだった。フランスへ逃げる資金かせぎの銀行強盗も失敗。そして、バルセロナのカフェで、張っていた刑事たちと激しい銃撃戦となる。混乱の中で、サルバトールの銃弾が若い警官に当たった。そして、彼は警官殺しの犯人として逮捕されてしまた。友人のアウラが弁護を引き受ける。調査を進めるうちに、警官の身体には、サルバトールが放った銃弾以外の弾が残っていた。だが、警察は検死結果をもみ消そうとするのだった。そして死刑が彼に宣告された。