歓びを歌にのせて
(C)2004 Lorber Films.
天才指揮者として、誰もが羨むような世界的な成功を手にしたダニエル・ダレウス。しかし彼は、大きな名声を得ているがゆえに、分刻みのスケジュール、絶えず注目を浴び続ける生活のせいで心臓はボロボロになり、次第に孤独と惨めさを感じていった。そして、ついに舞台で倒れてしまう。肉体的・精神的に限界を感じたダニエルは、突然すべてを捨てて、幼少時代を過ごしたスウェーデン北部ノルランド地方の村ユースオーケルに一人戻った。彼は、故郷の廃校になった母校の小学校を買い取り、そこに住むことにした。間もなく、牧師のスティッグ・バーゲンらに小さな教会のコーラス隊の指導を頼まれる。コーラス隊の指導を始めてから、心から音楽を愛する彼らの気持ちに触れ、ダニエルは再び音楽の素晴しさを実感していく。コーラス隊のメンバーは、過去の辛い恋を引きずっているレナや、夫の激しい暴力に日々耐えているガブリエラ、夫婦生活に密かな不満を抱いている牧師の妻インゲなど、それぞれに様々な問題を抱えて生きている。ダニエルを通して音楽から勇気をもらい、人生の“一歩”を踏み出す自信を得るのだった。練習の成果あって、コーラス隊は夢にまで見たコーラスコンクールに参加できることとなり、オーストリアのインスブルックへ向かう。コンクール当日、ダニエルは初めてレナに言葉で愛を伝えることができ、レナは優しくそれを受け入れてくれた。2人は結ばれ、ダニエルは今まで経験したことのないような人生で最高の幸福感を得る。しかし、会場に向かう途中、ダニエルは突然の心臓発作に襲われる。倒れこむダニエル。彼の耳にはスピーカーから、天使たちの美しい歌声が聞こえていた。
- 公開日
- 2005年12月17日(土)
- 監督
- ケイ・ポラック
- 脚本
- ケイ・ポラック
- 音楽
- ステファン・ニルソン
- 製作年
- 2004
- 製作国
- スウェーデン=デンマーク
- 原題
- SA SOM I HIMM
- 上映時間
- 133
- INTRODUCTION
- 本作はケイ・ポラック監督の18年振りのカムバック作品。160万人以上の観客動員で、近年のスウェーデン映画史上第3位の興行成績をあげている。そして2005年アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた。監督ケイ・ポラックは、前作「Love Me!」(86)以降映画制作から離れて、18年間、彼は国中を旅し、個人の発達に関する講義やセミナーを開いたりしていたのだ。しかし、映画に対する探究心は消えることはなかった。そんな彼に『歓びを歌にのせて』のアイディアを与えたのは彼の妻だった。彼女は聖歌隊のメンバーで、ポラックはよく彼女を教会に迎えに行っていた。彼自身、聖歌隊の歌を聞いて色々学んでいくうちに、やがて人間性のメタファーとは何か、聖歌隊とは何かということに興味を抱いたのである。本作の出演は、ダニエル役にミカエル・ニュクビスト、レナ役にはフリーダ・ハルグレン。ハルグレンはフィルモグラフィーに出演作がわずかにある程度の新人である。ニュクビストは彼女よりも遥かにキャリアの長い、スウェーデンの人気俳優の1人である。編集はポラックが絶賛するトマス・テン。美術監督はモナ・テレシア・フォーセインが担当している。
- STORY
- 天才指揮者として、誰もが羨むような世界的な成功を手にしたダニエル・ダレウス。しかし彼は、大きな名声を得ているがゆえに、分刻みのスケジュール、絶えず注目を浴び続ける生活のせいで心臓はボロボロになり、次第に孤独と惨めさを感じていった。そして、ついに舞台で倒れてしまう。肉体的・精神的に限界を感じたダニエルは、突然すべてを捨てて、幼少時代を過ごしたスウェーデン北部ノルランド地方の村ユースオーケルに一人戻った。彼は、故郷の廃校になった母校の小学校を買い取り、そこに住むことにした。間もなく、牧師のスティッグ・バーゲンらに小さな教会のコーラス隊の指導を頼まれる。コーラス隊の指導を始めてから、心から音楽を愛する彼らの気持ちに触れ、ダニエルは再び音楽の素晴しさを実感していく。コーラス隊のメンバーは、過去の辛い恋を引きずっているレナや、夫の激しい暴力に日々耐えているガブリエラ、夫婦生活に密かな不満を抱いている牧師の妻インゲなど、それぞれに様々な問題を抱えて生きている。ダニエルを通して音楽から勇気をもらい、人生の“一歩”を踏み出す自信を得るのだった。練習の成果あって、コーラス隊は夢にまで見たコーラスコンクールに参加できることとなり、オーストリアのインスブルックへ向かう。コンクール当日、ダニエルは初めてレナに言葉で愛を伝えることができ、レナは優しくそれを受け入れてくれた。2人は結ばれ、ダニエルは今まで経験したことのないような人生で最高の幸福感を得る。しかし、会場に向かう途中、ダニエルは突然の心臓発作に襲われる。倒れこむダニエル。彼の耳にはスピーカーから、天使たちの美しい歌声が聞こえていた。
- CASTING
- ●ミカエル・ニュクビスト(ダニエル) 1960年生まれ。86年TV「Personkrets 1:3 」で注目される。02年に「The Guy In the Grave Next Door」で金のカブトムシ賞最優秀主演男優賞を受賞。主な出演作は、『エヴァとステファンとすてきな家族』(00)、「We Can Be Heroes」(02)、「Details」(03)、「Day and Night」(04)など。 ●フリーダ・ハルグレン(レナ) 1974年生まれ。14歳の時、TVシリーズ「Klassliv」でデビュー。95年に「30: e November」で、さらに04年には「As It Is In Heaven」で金のカブトムシ賞最優秀助演女優賞にノミネート。主な出演作は「Once in a Lifetime」(00)、「If Not」(01)など。 ●ヘレン・ヒョホルム(ガブリエラ) 1970年生まれ。99年「Where the Rainbow Ends」で映画デビュー。02年に、スウェーデンでプラチナ・セールスを記録したシングル「Visor」でソロ・アーティストとしてデビューし、タリア賞やウラ・ビルクィスト奨学金などを贈られている。本作が2本目の出演である。 ●レナート・ヤーケル(アーネ) 1956年生まれ。96年「The Hunters」(96)で金のカブトムシ賞最優秀助演男優賞を受賞。02年「Suxxess」で金のカブトムシ賞最優秀助演男優賞候補。主な出演作は、「Yearning for a Life」(99)、「Shit Happens」(00)、「Difficult People」(01)、『キッチン・ストーリー』(03)、「Popular Music」(04)など。