タリナイ
(C)春眠舎
2018年9月29日(土)公開
1945年4月。ひとりの日本兵が戦地マーシャル諸島で命を落とした。栄養失調による飢えであった。亡くなる数時間前まで書かれた日記と遺言は戦後奇跡的に生き残った戦友から遺族のもとへ届けられた。2016年4月。74歳になった息子はマーシャル在住歴のある若者3人とともに父が過ごした最期の地をめぐる旅に出た。今もなお戦跡とともに暮らす島のひとびと。マーシャル語の中に残る日本語。「タリナイ」が意味するもの。わたしたちが忘れようとしてきた記憶がさまざまなかたちで問いかけてくる。