アカデミー主演男優賞を獲得、日本での動員4週連続No.1の大ヒットとなり、世界興行収入は1,500億円というR指定映画史上No.1の記録を樹立??まさに誰も成しえない社会現象となった前作『ジョーカー』同様、その話題性と傑作が約束された、“ジョーカー2”。その最新作にして完結編となる『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』通称「ジョーカー2」。世界に衝撃を与えたジョーカーの物語が“完結”を迎える本作の公開が世界中で待ち望まれる中、本作を一足早く鑑賞し“かつてない衝撃”の日本で最初の目撃者となった山田裕貴がイベントに登壇。そして、殺人の罪で裁判にかけられたジョーカーを追い詰める検事“ハービー・デント”役の日本版吹替キャストとして本作に参加することが発表された。
理不尽な社会の代弁者としてジョーカーを祭り上げ、彼の無罪を主張する民衆たちが暴動がおこす中で世界が注目する“世紀の裁判”は生中継で報じられていく。世間の注目を一身に背負うハービー検事は、民衆を巻き込みさらなる暴走を重ねるジョーカーと法廷で対峙することに―。
かねてより熱い“ジョーカー愛”を語っていた山田は「前作を観たときに、完璧を求めるが故の〈山田裕貴〉としての自己肯定感の低さが、ジョーカーの作品の内容と一致して共感する部分が多くて檄ハマりしてしまいました。そんなところを『好き好き』言っていたら今ここに立たせてもらっています」と語り、並々ならぬ“ジョーカー熱”を披露。さらに「最初に吹替えのオファーをいただいた時は『どれ!?誰!?』って声が出ました。もちろん『好き好き』言うことは大事なことだと思うんですけど、好きすぎるとリスペクトが勝ちすぎて『俺なんかがやっていいのか?』という思いをも出てくるんです。それでもやっぱり好きな作品に出られるって嬉しいに決まってますよね(笑)」と吹替キャストに決定した喜びを爆発させた。
過去に共演歴があり、本作でジョーカー役の吹替を担当する平田広明からも激励のメッセージを貰っていたという山田は「平田さんから『大変責任重大だぞ』とDMをいただきました。プレッシャーをかけられながらアフレコに臨むことができました」と裏話を告白。自身の演じるハービー検事については「ジョーカーを裁判で追い込んでいく役柄なんですけど、劇中ではジョーカーの方をほとんど向かず、声を荒げるわけでもない掴みどころのない役どころでした」とコメント。本作で洋画の吹替に初挑戦となった山田はアフレコ現場を振り返り「あえてメッセージ性を持たせないようにしているのか、どういう狙いでトッド・フィリップス監督が登場させたキャラクターかを最後まで掴み取るのが難しかったので、僕も演者さんが演じるハービーの声色を踏襲して、小手先でやらずに素直に声を入れるという感覚でアフレコに臨みました」と語った。
山田が日本時間の9月25日(水)に実施されるロンドンプレミアに参加することも発表され「ホアキン・フェニックスさんに会えるんですかね・・?ヤバいですよね。彼に会える人生だとは思っていなかったので何を話そうかな。でも『あのシーンは本当に現実で起きていることを映しているシーンなんですか?』とかいろんなことを質問したいですね。僕の演じたハービー検事と同じくジョーカーを追い詰めるくらいの思いで聞きたいです」と主演のホアキン・フェニックスや、謎の女性リーを演じるレディー・ガガら豪華キャストらとの対面に期待を膨らませている。
さらにイベントには映画の感想等を中心に投稿しているTikTokクリエイターのしんのすけがジョーカー風の真っ赤なスーツスタイルの衣装を纏いゲストとして登壇。山田はしんのすけの登場に「僕が俳優として現場にいる時に助監督さんとしてずっとご一緒していたので、だから最初の出会いはTikTokerじゃなかったんですよ!」と意外な関係性を告白。制作側として山田の活躍を長年見てきたしんのすけも「裕貴は“稀代の役者”ですね。8年前くらいの助監督時代も現場の真ん中で真面目で真摯に役に向き合っている。そして現場で色々と相談してくれるんです。あの時からのし上がったのに奢った部分を見せない。いまこうしてイベントの場に二人で立ってることが違和感(笑)」と、俳優としての活躍ぶりを絶賛。それに対し山田は「他には?山田裕貴の芝居のいいところとか、公にもっと言ってくれないと皆さんに広まらないから!」としんのすけからの誉め言葉を追加で要求し笑いを誘う場面も。
そしてカメレオン俳優として絶大な人気を誇る山田は、ジョーカーを演じる世界的俳優ホアキン・フェニックスについて「本当にジョーカーという人間が存在しているんじゃないかと思わせる自然さは、セリフのやり取りだけじゃ出せない。鼻を掻いたり、たばこを吸うタイミングとか、細部に宿る時間の流れを映し出せるのが魅力的ですね。感情のレイヤーをものすごく素敵に表現される。僕もそういうお芝居をしたいし、そういう役者を目指しています」と俳優ならではの視点で芝居を分析し、その規格外な演技力を絶賛。しんのすけも「僕もホアキン・フェニックスが出演されている作品は凄く好きなんですけど。役の幅が広すぎて、一秒後に何をするのか分からない画の不安定感を出せる役者だな思います。表面と内面の揺らぎを芝居ではない所から出せる役者さんはそうそういないけど、ホアキン・フェニックスはそれができる役者です」と、再び世界を震撼させる怪演がスクリーンで観られることに期待を膨らませた。
さらに狂気的ながらもリアリティのあるストーリーが多くの観客の共感を呼んだ前作について山田は「前作で語られたジョーカーの生い立ちは彼の妄想の物語かもしれないですけど、彼はジョーカーになりたくてなっているわけではないんです。自分の負の感情が溜まりに溜まって仕方なくジョーカーになってしまった。僕もこういう場に立たせてもらう前のエキストラだった時代は『俳優になりたいけど誰が僕を見てくれているんだ』と思っていましたし、もしもそういった感情が歪んで『僕のせいじゃない。世の中の映画のシステムのせいで見てもらえていない』と外に刃を向けていたらジョーカーと一緒なんですよ。誰もがジョーカーになってしまうと思わされたし、自分はそう生きてはいけないと思いつつ共感してしまうという感情が渦巻いていました」と自身が感じた“ジョーカーのヤバさ”を告白。
しんのすけも「彼を正しく導いてくれる人がいれば、彼はジョーカーになることはなかったので凄く悲しい作品だなと当時思っていました。実際に色んな人が評価してベネチア映画祭では最高賞の“金獅子賞”を受賞して、R指定作品で興行収入が日本で50億円突破しているんです。これはとんでもないことで、誰も予想していなかったことなんですよ」と、現代社会での『ジョーカー』の持つ影響力の大きさに驚きの想いを明かした。
本作では、そんなジョーカーの狂気が裁判の生中継を通してレディー・ガガ演じる謎の女性リーや民衆へと伝播していき、新たな狂乱が巻き起こる。ジョーカーの狂乱に一足先に触れた山田は「予告でも踊っているシーンとかが映っていましたけどレディー・ガガさんが出てるってことは・・ですよ。渦巻くものやうごめく感情を歌とダンスでひた隠そうとするジョーカーとリーにも見えて、歌と踊りがジョーカーの気持ちにシンクロしている部分と、違和感を感じる部分があり何を信じればいいのか分からない。誰にも愛されなかったジョーカーがリーと出会って愛を教えてもらえるのか?それは愛なのか?ここから先は核心に迫っているのであまり言えません。きっとこの作品の感想を話すと誰かがジョーカーに共感してしまうんです。その時点でジョーカーの狂乱が伝染してますし、それこそがジョーカーの思うつぼなんです!」と、来たる10月11日(金)の公開を楽しみに待つしんのすけに注意喚起。
しんのすけは「これだけ予告とビジュアルが出ているのに、分からない部分が多すぎる!!裕貴の話を聞いてもまだ謎が多いですよね。ジョーカーとリーの2人がいることで大きく変わることだけは分かった気がします。前作『ジョーカー』の公開前と後では悪役の描き方も含めて世界の映画がかなり変わった気がするので今回もこの作品が世に放たれたら、何かいろんなことが変わってしまうかもしれないですよね」と語った。
そして最後にジョーカー完結編となる本作で描かれる“かつてないラスト”を楽しみに待つファンに向けて山田が「いまお話したのは僕一人が感じた『ジョーカー2』の感想なんです。僕の解釈があっているかも分からないので僕の言っていることも信じてほしくない。この映画を観た後に皆さんが思うことはそれぞれ違うと思います。鑑賞後に、みんなで感想を話し合って完成させていくのがこの映画の正解だと思うので、見た後を色んな感想を周りの人と言い合ってください!」と、“覚悟”を決めてから鑑賞するようアドバイスを送り、イベントは大盛況のうちに幕を閉じた。
10月11日(金)全国劇場公開