萩原聖人「戦争は誰も幸せにしない」太平洋戦争末期の沖縄戦を舞台に命や平和の尊さを描く『島守の塔』公開記念舞台挨拶オフィシャルレポートが到着!

(C)2022 映画「島守の塔」製作委員会
7月25日(月)

鉄の暴風と言われた激しい空襲、艦砲射撃、上陸戦の絶望に追い込まれた太平洋戦争末期の沖縄戦。その中でなお「生きろ!」と後世に一筋の希望を託した2人の官僚と沖縄の人々の物語を映画化した『島守の塔』の公開記念舞台挨拶が実施され、萩原聖人、村上淳、香川京子、五十嵐匠監督が登壇した。

県民の4人に1人、約20万人が犠牲となった「沖縄戦」。「命(ぬち)どぅ宝、生きぬけ!」と叫んだ 2人の官僚と、「沖縄戦」に翻弄される沖縄県民。それぞれの苦悩と生きることへの奮闘を描き、沖縄本土復帰50年の節目に「命の尊さ」を次世代に継承する映画が誕生。2020年3月25日にクランクインし、撮影4日目に撮影を中断。コロナ禍で約1年8カ月間撮影休止となり、昨年11月18日から撮影を再開し、翌月12月10日にクランクアップ、ようやく完成した。


主演の萩原聖人は「本日はお暑い中、そして世の中が大変な中お越しいただき、この作品を選んでいただきありがとうございます」と挨拶。W主演を務めた村上淳は「映画を観て改めて感じたのですが、香川京子さんと同じスクリーンに映れて、感無量でございます」と述べ、香川は恐縮した様子を見せた。現代の比嘉凛役を演じた香川京子は「今日は凛を演じた吉岡(里帆)さんがお仕事でいらっしゃらないので、歳をとった凛として出演させていただきました。本日はお暑いなか、世の中が落ち着かないなか、たくさんの方にいらしていただきありがとうございます」と挨拶。五十嵐監督は「この映画は4年掛かったんですが、コロナが流行りはじめた一昨年にクランクインして、4日で11人が倒れてしまいました。熱射病で倒れて、PCR検査をしたところ全員陰性だったのですが、1年8か月飛んでしまいました。1年8か月という時間はとても長かったのですが、その期間があるから今があると思います」と述べ、中断中には各キャストと作品をより深める作業を行っていたことを明かし「日本映画は生きているということを観ていただければと思います」と語った。

実在した島田叡という役を演じるにあたって萩原は責任を感じたといい、「五十嵐監督が島田役を僕にやってくれと思った時点でとんでもない責任なんですが、この作品は完成するまでに関わった全ての人に責任が生じるんです。いろんなことがあった中で乗り越えて今日を迎えられたってことは、みんなで責任が果たせたかなと思っています」と、無事に公開を迎えた気持ちを明かした。

村上は「現場で萩原聖人というエネルギーの塊である芝居を直で受けて、それをはじき返すだけで精一杯でした。役者としては幸せなことで、先程も挨拶で言いましたが、香川(京子)さんと同じスクリーンに出れて、役者人生もちょうど半分になりましたが、いい作品に巡り合えたなと、観客の皆さんに心から感謝いたします」と感慨深そうに語った。

香川は「沖縄というと、何十年も前に出演した『ひめゆりの塔』を思い出すんです。私はあの時は女学生としてあそこにいたわ、と思うシーンはいくつもありました。戦後何十年と経ってしまい、今は沖縄でああいう悲劇があったと、あの時代を誰も知らせていなかったけれど、映画ができて、皆さんが沖縄の事に興味を持つことになりました。私はひめゆり学徒隊の生き残りの方と知り合いで、あの時代のことを知っている人間がお祈りしなくてはいけないんじゃないかなという使命感があり、本作への出演をお引き受けいたしました。塔をお作りになった沖縄の方たちの気持ちを想いますと胸が一杯になって、そのまま芝居をさせていただきました。本当に、二度とあんなことはあってはいけないと改めて思った次第です」と強い気持ちを明かした。

最後に萩原が「この作品はコロナが猛威を振るい始めた頃に1年8か月の撮影中断を余儀なくされ、もしかしたら今日という日を迎えられないんじゃないかというなか完成した作品です。監督をはじめとするキャスト・スタッフの信念と、それを支援してくださった協力者の方があって今日を迎えられました。僕自身は戦争を体験した訳ではないので、本当の戦争が何かって知らないかも知れないけれど、戦争は誰も幸せにしないということだけは強く感じます。今を生きる皆さまが今日この作品を選んで観に来てくださったことを心より感謝します」と締めくくり、盛況のうちに舞台挨拶は幕を閉じた。

絶賛全国公開中

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