LiLiCo、よしひろまさみちが共感の連続!!『カモン カモン』公開前トークイベントレポート到着!

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4月7日(木)

『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスと、『人生はビギナーズ』『20センチュリー・ウーマン』のマイク・ミルズ監督が初タッグを組んだA24製作の映画『カモン カモン』の試写会が4月6日(水)都内にて開催され、上映後に映画コメンテーターのLiLiCoと映画ライターのよしひろまさみち登壇のトークイベントが開催された。

本作は、ラジオジャーナリストのジョニー(フェニックス)が妹に面倒を頼まれた9歳の甥っ子ジェシー(ウディ・ノーマン)との共同生活を通して、初めての子育てに戸惑いながらも、絆を見出していく姿を美しいもモノクロームの映像で綴った感動のヒューマンドラマ。
甥っ子との“想定外”の日々を描いた本作を観た感想を、LiLiCoは「自身を重ね合わさることがあった。子供って本当に色々考えてますよね」とコメント。よしひろは「お互い子供はいないけど、自分の子供の頃のことを思い出しません?」と質問すると、LiLiCoは同意し、「プラスお友達の子供たちのこともね。お腹にいるときから知っている彼らとお話しをすると、彼らすごく大人なんですよね。独身の時代とか、 “LiLiCoがフラれたよ”って親が子供に言ってるんでしょうね。そうすると5、6歳の子供が“なんでかな、LiLicoはキレイなのに”って言うの。親の言葉を受けて、自分の中で噛み砕いて、子供ながらに色んなことを考えて話しているんだろうね」と思い出を振り返った。
自身にも姪っ子と甥っ子がいるというLiLiCoは、「地球の反対側にいるので、遠い存在になったら嫌だなと思っている。私も叔母は、遠い存在だった。だからこそ自分はそうならないように、姪っ子たちに会ったときは頑張ってお話ししようと思っているし、この映画のジョニーと被っていることが多い」と主人公ジョニーへの共感を語った。一方で、ジェシーにも共鳴する場面も。「私が9歳のとき弟が生まれて、弟のお世話をするお母さんになった気持ちもあるけど、自分も本当はお母さんに甘えたい。どういう風に大人たちと接したら、私と真剣に接してくれるんだろうかと、まさに映画に出てくるような。甘えたいし我が儘でいたい、だけどどこか大人にならないといけないジェシーの気持ちがすごく分かる」と述懐した。
LiLiCoが好きなシーンに、ジョニーが子供へ「自分の親が自分の子供だったら何を教えたい?」と尋ねる場面を挙げると、よしひろは「自分の親がどう思っていたんだろうって、考えさせられたよね。もっと話を聞いていれば、もっと仲良くなれたかもしれない。もしこの映画が20年前に作られていたら、親に見せたかった。たらればを考えるときりはないんですけど、今あるものも大事にしたいって思えるのが、この映画をきっかけに出来るんじゃないかなって思う」と熱く語り、続けてLiLiCoも「私もお祖母ちゃんが亡くなる前にもっと話せばよかったなと未だに思う。何歳になっても、どこか離れてしまっても、例えどんなに話していても、もっと話しておけば良かったって皆が思うこと。だから家族や周りがご健在のうちに、ちゃんと話をしてくださいね」と観客に訴えた。
ジョニーとジェシーが関係を築くにあたり、2人の会話が重要になっている本作。よしひろは「難しい世の中じゃないですか。その中で会話って本当に重要」と強調。これに対し、LiLiCoが「全ての問題はコミュニケーション不足。カップルも夫婦関係も、コミュニケーション不足が原因」と重ねると、よしひろから「家でもこれだけ喋っているから、家でも円満なんですよね」とツッコミが入り、LiLiCoも思わず照れ笑い。「会話を大事にしてるの。話したくないこともあるけど、嫌われる勇気で会話する。でも、それを乗り越えたときに良いものが生まれる。家では、ご飯を食べるときはテレビもラジオも消す。夫婦で必ず向き合っている」と夫婦円満のコツを明かした。
『ジョーカー』の狂気のイメージから一転、甥っ子に振り回される主人公を自然体で演じたフェニックスについては、「実は、『ジョーカー』より『her』やこの映画のホアキンが好きなの。ジョーカー役より、本作のように普通を演じることの方が難しい」とLiLiCo。一方よしひろは、フェニックスの相手を務めたジェシー役のノーマンについて「イギリス人なのに完璧なアメリカ英語を話している。これまで天才子役は何人も出てきましたけど、この子は伸びしろが凄そう。将来の目標はティモシー・シャラメと公言している」と期待を語った。
ジョニーとジェシーの物語と並行し、劇中では所々、ジョニーによる子供たちへのインタビューシーンが織り込まれる本作。これらのシーンには、ミルズ監督の「すべての大人は子供と彼らの未来に責任がある」という強いメッセージが込められているが、このインタビューシーンについてよしひろは、「お先真っ暗な話ではない。これだけ情報過多な社会だと、子供たちの耳に環境破壊だとか色んな暗い話が入っている。それでも子供たちは希望を持っている。子供たちから教わることの方が多い」と説明。これにはLiLiCoも深く頷いた。
最後に、LiLiCoは「なかなかコミュニケーションがとれない世の中で、SNSなど便利なツールもいっぱいあって、繋がっている感じになっている。でも直接話さないと、自分を表現できなくなってしまう。この映画をきっかけに、電話でもいいから、家族や友達とか誰かと本気で向き合って、訊いてみたこともないような話をしてみると何かが広がると思う」と太鼓判を押し、よしひろは「映画のキャッチコピーにも“君の話を聞かせて”とあるように、まずは対話しましょうって思える作品。一言で伝わりきらない作品だからこそ、自分の言葉で伝えてほしい」と観客にメッセージを贈った。トーク終了後には、映画のポスターを真似たポーズを披露し、大盛り上がりでトークイベントは締めくくられた。

4月22日(金) TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

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作品紹介

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