『WHOLE/ホール』ハリー杉山の推薦コメントと、脚本&主演・川添ウスマンオフィシャルインタビューが到着!

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10月10日(日)

純粋な目線で、どこにでも居るハーフの日々の生活を通して、アイデンティティーや日本社会に対する複雑な気持ちを誠実に描いた『WHOLE/ホール』より、同じくハーフのハリー杉山(「ノンストップ!」月曜~木曜担当)の推薦コメントと、脚本&主演の川添ウスマンのオフィシャルインタビューが解禁された。

日本のメディアで活躍するポジティブな印象のハーフタレントとは裏腹に、「ハーフ」という言葉をネガティブな意味で受け止め、自らのアイデンティティーに戸惑い、苦しむ若者も存在する。日本生まれ、日本育ちで日本のパスポートしか持っていない、監督の川添ビイラルと脚本・主演の川添ウスマン兄弟は、日頃からハーフの偏ったイメージに違和感を感じていて、タレントでもない、日本で普通に暮らしているハーフを主人公にした映画を作ることを決意。知り合いの紹介で、同じく日本生まれ、日本育ちのサンディー海に出会い、春樹役に抜擢した。

『WHOLE/ホール』予告編

■ハリー杉山(タレント)コメント
ハーフ、ダブル。
日本ならではの独特なカテゴライズをする言葉。英語では存在しません。中国で我々は"混血"と呼ばれ、フランスに留学した時には半分何々と表現するのは変、父はイギリス人、母は日本人と表現しなさいとホストファミリーに言われました。父もハーフやダブルという言葉を嫌い、bothを使いなさいと叱りました。

今はまったく何を言われようと気にしなくなりましたが、遠い昔、10代の時は主人公の二人が感じていた葛藤も自分も経験しました。あの時の負の思考回路を抜け出すヒントにもなる考えに溢れるこの作品を当時見てれば、それは救われたでしょう。

■川添ウスマン オフィシャルインタビュー

Q.本作の脚本を書いた理由をお教えください。
僕は日本生まれ日本育ちで、いろんな不満を抱えながら日本で暮らしています。その不満だったり、不満から成長していくプロセスを映画にしたいと思って、兄に相談して、2年くらいかけて脚本を書きました。

Q.劇中の春樹は、「ハーフ」と呼ばれることを嫌い、「ダブル」という言葉を好みますが、ウスマンさんご自身は「ハーフ」「ダブル」「ミックス」などという呼び方にどのような考えをお持ちですか?
ミックスルーツの方、バイレイシャル(biracial)の方、人それぞれ「『ハーフ』は嫌」「『ダブル』がいい」「『ミックスルーツ』がいい」などあるので、それぞれが呼ばれたい呼称で呼ぶのがいいと思います。日本では「ハーフ」というのが定着しているので、僕は、色々考えた上で、「ハーフ」の方がコミュニケーションが取りやすいと思っています。


Q.冒頭、春樹が電車で他の日本人からジロジロ見られるシーンから始まりますが、ウスマンさんも普段ジロジロ見られているという実感がありますか?
ほぼ毎日あります。関西の方が圧倒的に多いのですが、東京でも、僕は身長が高い方なので、電車に乗る時も、避けられたりとか、隣に座ってくれないとかはあります。僕が派手だからかもしれないですけれど。

Q.ハーフだと言っているのに、外国人扱いされることは実際多いのでしょうか?
ほぼ毎日あります。関西弁でしか話さないので、よりギャップを感じるのではないのでしょうか。東京では、「ハーフなんだ。外国人だと思っていた。」と言われて、僕が関西弁を話すと、「わっ関西弁なんだ」とダブルで食らいます。

Q.ウスマンさん演じる誠がバリバリの関西弁というのも面白いですが、友達との会話のシーンでこだわった部分はありますか?
建設現場で話す内容を再現したかったので、事前に他の役者さんと会って、仲良くなるなど、劇中のやりとりにはこだわりました。

Q.春樹の「この社会はおかしいよ。日本人は日本人。外人は外人。勝手にラベルを貼って。」というセリフがウスマンさんが今まで抱えていた想いを吐露しているように感じましたが、どういう想いで描きましたか?
僕が書いた初稿で既に入れていたセリフですが、僕が一時期思っていたことです。僕が高校を辞めて労働をしていた時に、いろんな人に出会って、その人たちが思っていることや、僕への態度がおかしいなと思ったのです。僕は好かれていた方ですが、中国人のハーフの女性に対しては、明らかに話し方も違いましたし、差別的でした。色々な現場で見てきたので、日本はアメリカなど海外に比べると、進んでいないと思ったので、それを脚本に入れました。

Q.海外に行ったことがない人は、海外によく行く人と比べて、差別が多いということはありますか?
あります。海外に行ったことがなかったり、外国人に触れたことがない方たちは、そこまで考えたことがないと思います。

Q.誠の会ったことがない父親への複雑な想いは、何を参考に演じましたか?
僕が『WHOLE/ホール』の役作りをしている時に、1年間、尼崎の日雇いで働いていました。そこで出会った男の子が、英語が話せないハーフの子だったので、その子のことを考えながら、お父さんがいない環境をイメージしました。

Q.シングルマザーの母親とのシーンを演じる上で心がけたことはありますか?
大事なシーンなので、僕と実の母親のやり取りをイメージして書きました。撮影時は、いつものお母さんだと思って演じました。

Q.もう一人のハーフ・春樹役のサンディー海さんとは共演していかがでしたか?
最高でした!海がいなかったら、途中でギブアップしていたと思います。春樹役を探していた時に、海の芝居の動画を見て、電話で話してその後初めて東京で会ったのですが、最初の1〜2時間、本作の事は全く話さないで、しょうもない話をしてめちゃくちゃ仲良くなりました。

Q.春樹を演じたサンディー海さんからは、どのようなアイデアがありましたか?
海くんが春樹役の癖や動きを考えてくれて、色々なパーソナリティを試してみました。春樹は外見に気を遣っていないという設定にし、爪を伸ばしたり、猫背だったり、常に下を向いていたりという形になりました。

Q.完成した作品を見た感想はいかがでしたか?
自分の人生で起こったエピソードが詰まったパーソナルな作品なので、見ていて不思議でした。

Q.大阪アジアン映画祭でJAPAN CUTS Award スペシャル・メンションを受賞した時の感想はいかがでしたか?
この映画を作った理由でもあるのですが、ハーフを題材にした作品が今までなく、ユニークな作品になっているので、正直何か受賞するとは思っていました。ハーフについてのドキュメンタリーでは、「これは僕らの考えです」と主張するような作品が多かったので、それとは違った目線で作った作品だと思います。

Q. 北米最大の日本映画祭であるニューヨークのJAPAN CUTSでの上映での反応はいかがでしたか?
めちゃくちゃ良かったです。お客さんは200人位いたのですが、僕が書いたジョークや関西のバイブスのやり取りに対して笑ってくれていたので、楽しんで観てくれているなと思いました。

Q.本作の見どころはどこだと思いますか?
全部と言いたいのですが、一つ挙げるとしたら、春樹と誠のやり取りです。徐々に一緒に成長していくところが魅力だと思います。

Q.読者の方にメッセージをお願いします。
僕が本作を書いた時は22〜23歳だったので、23年間思い続けたことのすべてを入れた作品です。すごくパーソナルで、できるだけリアルにしようと試み、うまくできたと思います。もしよければぜひご覧ください。

10月15日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

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作品紹介

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