『最後の決闘裁判』83歳にして新作続々!稀代のヴィジュアリスト、リドリー・スコット監督の撮影秘技!

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10月8日(金)

アカデミー賞(R)作品賞を受賞した『グラディエーター』などの名匠リドリー・スコット監督が、アカデミー賞脚本賞(R)を受賞した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のマット・デイモンとベン・アフレックが黒澤明監督の『羅生門』から影響を受け24年ぶりにタッグを組んで参加した脚本を映画化!マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレック、そして2019年にエミー賞主演女優賞を受賞した注目の演技派女優ジョディ・カマーという豪華キャストを迎え、歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く実話ミステリー『最後の決闘裁判』

決闘裁判とは、その名の通り、一向に解決を見ない争いの決着を、命を賭けた決闘で決定するというもの。真実を知っているのは神だけであり、その神が“正しい者”を勝利へと導くと信じられ、中世ヨーロッパで正式な法手続きとして広く認められていた。本作では、14世紀フランスで実際に行われた“最後の決闘裁判”をモデルに、名匠リドリー・スコット監督が豪華キャストと共に作り上げた歴史大作として注目を集めている。
リドリー・スコットといえば、デビュー作でまさに「決闘(duel)」を題材とした『デュエリスト/決闘者』でカンヌ国際映画祭新人監督賞を受賞。1979年に手がけた『エイリアン』が世界的大ヒットとなり、その名を知らしめ、『ブレード・ランナー』(82)、『テルマ・ルイーズ』(91)、『グラディエーター』(00)、『ハンニバル』(01)、『アメリカン・ギャングスター』(07)、『プロメテウス』(14)と、SFからクライム・サスペンス、歴史劇まで幅広いジャンルでのヒット作を生み出し続け、さらに、来年公開予定の『ハウス・オブ・グッチ』、ジョディ・カマーを再登用し、ホアキン・フェニックス共演のナポレオン1世を描いた『Kitbag(原題)』、そしてその後には『グラディエーター』の続編着手も囁かれている。御年83歳にしてなおエネルギッシュに鬼気迫る圧巻の映像を作り上げるビジュアリストとして名高い。

本人の、ウェストハートルプール美術大学、ロンドン王立美術大学でグラフィックデザインなどを学んだ後、BBCに入社し、退社後は、CM制作会社RSAを設立してCM監督として活躍、という経歴からすれば、様々なジャンルの映画に挑戦し、撮影・音楽・衣装など芸術面や、美術・セットの細部にこだわり、リアリティのある映像美を追求するのも納得。

その手腕は、複数のカメラを用い、360度全方向による撮影方法で知られている。アカデミー賞®︎作品賞受賞監督でもあるベン・アフレックは「リドリーのとても特徴的な撮影方法を間近で見られるのは、とても興奮することだった。各カメラがそれぞれの方向を向いていることによって信じられないほどのエネルギーが生じる。演じている者たちは、自分がいつカメラに捉えられているか分からない。それが素晴らしい切迫感と即時性を作り出すんだ。」と、その手法を絶賛。「リドリーは、光のことを実によく理解していて、どうやったら撮影ショットを非常にハイレベルに進化したフレームに出来るかを熟知している。」と語るのはマット・デイモン。続けて、「リドリーは、トレイラー上にカメラを設置していく時に、まずフロアのほうに自分で歩いて行って、そのシーンを自分でリハーサルしてからカメラを4台設置して、それに対してダリウス(『プロメテウス』(14)で一緒に仕事をして来た経験がある、著名な撮影監督ダリウス・ウォルスキー)が照明を提供する。それから(リドリーは)トラックの中に戻って、自分でカメラを操作したら何が映るかを確認する。これは、彼が最初にこの仕事を始めた時にやっていた方法の、より手の込んだバージョンといえる。こうすれば、ショットがどう仕上がるか、どうやったら欲しいショットにたどり着けるか、方法が分かる。4台のカメラにそれぞれ着いた操作のプロが、無線機で監督からの指示を受けてショットの調整をしていくわけです。」と、この独特な撮影方法がダイナミクスを生んでいると説明。いくつかのシーンでは、撮影カメラ6台が同時に回って撮影されていることもあり、さらには撮影の最中に編集を行う数少ない監督のひとりでもあるという。

また、本作で監督を支えるのは、前述の撮影監督のダリウス・ウォルスキー(『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『プロメテウス』『オデッセイ』)ほか、プロダクション・デザイナーのアーサー・マックス(『グラディエーター』を皮切りにスコットと組んだ13作目の映画、『オデッセイ』でアカデミー賞Ⓡノミネート)、編集のクレア・シンプソン(『プラトーン』でアカデミー賞Ⓡ受賞)、衣装デザイナーのジャンティ・イェーツ(『グラディエーター』でアカデミー賞Ⓡ受賞)、作曲家のハリー・グレッグソン=ウィリアムズ(『プロメテウス』、『オデッセイ』)などの天才的な才能であり、その集結により、荘厳な中世的世界観をスクリーンに再現させるのに成功したといえる。

とはいえ、監督が重視しているのは、「私はこれまでにやっていない素材を見つけるのが好きで、新鮮でそれまでとは違うものをいつも探している。ミュージカルはやったことがないし、ウエスタンもやったことがない。だからそういうものを見つけようとしている。だが、この作品に関して言うと、この時代はとても親しみが持てて、十字軍の物語なんかも同じような時代のものだよね、そういったものは分かりやすいし、与しやすい。だが、最も大事なのは、コンセプトであり文脈なんだ。この作品についていえば、三つの違う視点があるという点がとても興味深くてね、それがどの時代か、どの世紀かなんてことは関係がない。私にとってはそれが一番大事なことだったんだ。文脈がね。」と主張。視覚ビジュアルにおける才能とシネマティックな目利きを持つ映画監督、リドリー・スコットの渾身の最新作は、それぞれが昇華して、生々しくも鮮烈なアクションと、見落とすことのできない繊細な映像表現が為されているのは間違いない。

10月15日(金)全国公開

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作品紹介

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