ホウ・シャオシェン監督の素顔に迫る!伝説のドキュメンタリー映画『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』メインビジュアル&コメント解禁!

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9月7日(火)

世界の巨匠ホウ・シャオシェン監督を、フランス映画を代表する映画監督のオリヴィエ・アサイヤスが追った伝説のドキュメンタリー映画『HHH:侯孝賢 デジタルリマスター版』より、メインビジュアルが到着。併せて侯孝賢監督から日本公開に寄せるコメント、そして石田ゆり子、行定勲監督ほか絶賛コメントが解禁された。

1989年『悲情城市』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞、台湾ニューシネマの旗手として世界にその存在を知らしめたホウ・シャオシェン監督。『黒衣の刺客』(15)ではカンヌ国際映画祭監督賞を受賞。2020年に監督生活40周年を迎えた。同年、57回台湾金馬奨・終身成就奨(生涯功労賞)を受賞し、「人を感動させるには、まず自分が感動することが必要」とスピーチをしたホウ・シャオシェン監督の尽きない創作意欲は、大きな感動を呼びました。プレゼンターのひとりとして、是枝裕和監督が駆け付けたことも大きな話題となった。

『パーソナル・ショッパー』で第69回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞したフランスの名匠オリヴィエ・アサイヤス監督は、 “カイエ・デュ・シネマ”で映画批評家をしていた84年、台湾ニューシネマの監督たちの存在に大きな衝撃を受け、いち早くフランスにおいて台湾ニューシネマを紹介しました。本作では、13年来の友人であるホウ・シャオシェン監督はじめ、台湾ニューシネマを牽引した映画人たちへのインタビューを中心に、作品にゆかりの地をめぐる。


≪日本公開に寄せるコメント≫
■ホウ・シャオシェン(侯孝賢)
「映画は、非映画的なところから始まる」
日本の方から一筆頼まれたとき、私はよくこの言葉を記しました。映画を撮るとき、映画とは関係のないところから取り掛かります——なぜなら私の情熱の源は、映画からかけ離れた生活や人々にあるからです。25年前に私のドキュメンタリーを撮ってくれたフランスの友人アサイヤスは、作品の中に私のそんな一面を映し出してくれたのでしょう。あの時、私は50歳になったばかり。今振り返れば、それはまるで前世の出来事のようです。
2021年8月15日

■チュウ・ティェンウェン(朱天文)/作家・脚本家
「ホウ・シャオシェンの表現スタイルは、直感、力強さと客観性が混然一体となり、決して世俗に迎合することなく、もっとも率直かつパワフルな方法で物事の核心を突き、かつ、徹底して本質に迫るだけなのだ」
ホウ・シャオシェンを二、三言で描こうとするとき、私は1998年にフランスで『フラワーズ・オブ・シャンハイ』がヒットした際にアサイヤスが新聞「ル・モンド」に寄せたこのコメントに勝るものはないと思いました。
※一部抜粋、パンフレットに全文掲載

■石田ゆり子/俳優
なんでこんなに懐かしく思うんだろう。
まるでその場にいるかのように
食い入るように観てしまった。
ホウ・シャオシェンという台湾の巨匠を
こんなにもじっと見つめることができる映画は幸せでしかありません。

■渡辺真起子/俳優
語り倒している。私が語りかけられていると感じてしまう。まあ、そう受け止めた自分がいるということなのだけど。この先も「映画」に関わり続けながら未来へ向かう道中に、視界がぼやけたり、頭がボヤけたり、自分が消えてしまいそうになったら、このドキュメンタリーを繰り返しみたい。誰かと侯孝賢監督や作品について語り合いたい。

■一青窈/歌手
“珈琲時光”のときは
拾われてきた猫のように
私はただそこで呼吸していました。
特別な稽古もなく
言われた設定だけを頭にいれ
あとは常に心の動くままに言葉を発し
空間に馴染むことに集中しました。
すべてがとても自然で
女優なんて自分のことを取り上げてくださるには
あまりにもおこがましいほどに
監督と監督の取り囲む人々に支えられた撮影でした。
なぜあのような空間で自分が自由に演じることができたか
このHHHを観て監督の意図、スタイルが改めてよく理解できました。
ご自分の持ち曲「太陽」を夕張のカラオケで遠吠えのように歌っていた
監督がそのままこの映画にあり、思わず笑ってしまいました。
スタッフと共に泊まり、彼らの賄いを監督自らが作り振る舞う
彼らを大事にするその姿勢も撮影当時から変わりません。
とにかくチャーミングな人となりを知ってもらうのにうってつけですし
台湾映画の奥深さを掴めるはずです。
何度も観てもスルメのように味わいが出てくる、
そんな映画を創る侯監督の魅力をこの機会にぜひ。

■小川紗良/役者・映像作家・執筆家
木に登って果物を盗んだ幼少期、ビー玉で賭け事、ドバドバ注がれるお茶、「映画には3つの視点がある」と話すうち「2つだった」と笑いだす茶目っ気。情熱とユーモアを胸に宿して、「尊厳」を描く侯孝賢の姿に、台湾ニューシネマの豊かさの所以を見た。

■半野喜弘/音楽家・映画監督
私がホウ・シャオシェン監督の『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の音楽を担当したのは、このドキュメンタリー映画の1年後くらいだと思います。
監督との出会いはその後の私の人生をも大きく変える事になりました。
それから20年以上が経ち、様々なアジアの監督達と作品を創ってきましたが、ホウ監督ほど人間味があり且つ恐ろしい人を知りません。
あの人懐っこい笑顔の奥底にある深遠なる思考と美のイメージ、『常に民族を描こうとしている』と言っていた監督の言葉の意味を今でも考え続けています。
カンヌ映画祭、浜辺でパーティーをしていた夜のことです。監督に『パーティーは退屈だ、この浜辺がどこまで続いてるか確かめに行こう』と言われ、
監督、トニーレオンさんと3人で夜の浜辺を歩き続けました。珍しく子供のようにはしゃいでいるトニーさん、鼻歌を歌っている監督。
その時、この感覚こそがホウ・シャオシェン映画なんだと感じたのを懐かしくも鮮明に思い出しました。

■行定勲/映画監督
侯孝賢の映画は私にとっての映画の原風景である。この映画は侯孝賢自身の原風景に触れ、彼が紡いできた映画の瞬間瞬間が幻ではなかったと実証している。
何度も繰り返し観たい作品だ。

■深田晃司/映画監督
穏やかな笑みをたたえた偉大な映画監督と台湾を巡り、食べ、歌うこの作品は、国境を跨ぐことが容易ではなくなったこの時代に考えうる限り最高に至福な旅を約束する。しがない映画監督の端くれとしてはその一言一言を聞き漏らすまいとそれはもう必死でした。

■ソン・シンイン(宋欣穎)/映画監督(『幸福路のチー』監督)・作家
台湾ニューシネマを代表するホウ・シャオシェン監督。24年前、映画に夢中だった私は『HHH:侯孝賢』 に感銘を受けました。そして24年後にもう一度このドキュメンタリーを見た私は、今度は映画制作者として深い気付きを得ました。この映画には偉大な映像作家の創造的な心の記録にとどまらず、彼の素晴らしい人生もが映し出されています。映画ファン必見!

9/25(土)より新宿K’s cinema他全国順次公開!

新宿K’sシネマにて同時開催!!
ホウ・シャオシェン&オリヴィエ・アサイヤス監督作品を特別上映
※『冬冬の夏休み』は本特別上映が日本最終上映となります※


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作品紹介

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